宝厳院(ほうごんいん)— 天龍寺の塔頭と名庭「獅子吼の庭」
宝厳院は、天龍寺の塔頭寺院の一つとして知られ、嵐山を背景にした絶景庭園と、室町時代から続く由緒ある仏教文化を体感できる特別な場所です。
宝厳院の歴史
- 室町時代、細川頼之公の財力をもって創建
- 創建当初は京都上京区に所在していましたが、応仁の乱による焼失後、幾度も移転を繰り返し、2002年に現在地に移されました。
- 足利尊氏が信仰した地蔵菩薩像や、三十三体の観音菩薩が祀られています。
庭園「獅子吼の庭」
- 作庭者:策彦周良禅師(室町時代の禅僧)
- 様式:借景回遊式庭園
- 特徴:
「獅子吼」とは「獅子が吼える威力」を意味し、その雄大さを庭園に表現
嵐山の自然を借景に取り入れた設計
庭園内の「獅子岩」は、眺める角度によって獅子の姿が浮かび上がります。
江戸時代の名園案内記『都林泉名勝図会』**にも紹介された名庭です。 - 見どころ:
春:鮮やかな新緑が庭園を彩る。
秋:約3000本の紅葉が赤や黄色に染まり、庭園全体が華やかに。夜間ライトアップも実施
本堂障壁画「風河燦燦三三自在」
- 作者:田村能里子(現代の洋画家・壁画家)
- 本堂の再建に合わせて制作された全長60メートル、58面にわたる障壁画
- 特徴:
「タムラレッド」と呼ばれる独特の赤を用いた色彩
老若男女33人の人物が描かれ、感性豊かな筆使いが特徴
特別公開
宝厳院は通年拝観できる寺院ではなく、春と秋の年2回だけ一般公開されます。公開期間中には、庭園や本堂の内部をゆっくりと見学できます。特に秋の紅葉シーズンは多くの観光客が訪れる人気のスポットです。
おすすめの訪問ポイント
- 庭園好きに:嵐山の景観を活かした巧みな設計と季節ごとの表情を堪能
- 歴史好きに:応仁の乱を乗り越えた寺院の歴史や、足利尊氏ゆかりの仏像に触れる。
- 芸術ファンに:田村能里子の障壁画や、日本庭園美術の粋を鑑賞
宝厳院は、嵐山の自然美と室町時代の文化が融合した特別な場所です。借景回遊式庭園「獅子吼の庭」の四季折々の風景や、現代芸術と伝統が織りなす本堂障壁画は、訪れる人々に深い感動を与えます。春と秋の特別公開時に、ぜひその魅力を体験してみてください。
宝厳院の詳細
名称 | 宝厳院 |
---|---|
住所 | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36 |
駐車場 | 有料 |
最寄駅 | 嵯峨嵐山駅から徒歩で15分 |
入場料等 | 700円 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 無休 |
Tel | 075-861-0091 |
※掲載されている情報は最新、正確な情報とは限りません。必ずご自身で事前にご確認願います。
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